秋の夜風は本当にいろんな気持ちにさせてくれるし、いろんな気持ちをさらりと吹いてくれる。秋に生まれた人って秋みたいね。
知らない方がいいことってそんなことはきっとこの世にはないんだろうけど、知らないってことは本当に美しい。これから知らないものを知ることができるから。
中学生の時ちょっとだけ部活をやってたでしょ?すぐ辞めちゃったんけど。
重たいカバンを持って帰ったよねこんな風の日に。友達とどうでもいい話をしながら。華やかにみえたファミレスの明かりに憧れながら、川を渡って、いつもの信号、いつもの分かれ道、いつもの匂い。
今みたいに好きな人なんかいなかったし、お金もないし、お酒だって飲まないけどそこにはちゃんと毎日があって愛していることがあった気がする。つまらなくなってしまったね。
ううん、そんなことはないのよって、そうやって誰かを、毎日を、今までのこと、ここにある全部抱きしめるのよ。
終わりでも始まりでもないのに何か始まる前のざわざわがあってね。