大きいことなんて何にもないんだけどわたしはやっぱりたのしい。
わたしがじゃないよ。わたしは。
とてもたのしい。
会えばたのしいってわかってる人がいることも、何かをやっている人も自分の身の回りにいることって案外普通じゃないっぽくって驚いてる。いつまでも、フツーということに馴染みがない。
働くことは嫌かもしれないけど、それを通して仕事というものが自分に身についていくのは結構すてきだなと思う。かっこいい。
海がたくさん出てくる映画を見て海に行きたくなってる。でももう寒くないんだな。寒くない海ってただの海なんだもん。海のないところで育って、海なんか全然馴染みがないんだけどね。なんかそう思うのよ。
ただ、海はとても好き。
ゴールデンウィークだって世の中が浮かれておるけどわしゃその分きちんとした心構えをして働いている。ちゃきちゃきしてる。早起きして早番の仕事を覚えて歌いながらパンこねたり、野菜洗ったりしてる。鬼のような形相で。
そんでさ、夜になっても軽く散歩ができるようになってその時に深呼吸をするじゃない?その空気がなんとも違うわけ。今までとは。
いろんな花と草と土の匂いがしてさ。冷たくないから夜に溶けちゃうんじゃないかと思うの。髪の毛のいっぽんいっぽんが性感帯になったような気分ね。毛先から送られてくる快感がどこよりも脳みそを揺らす。目で見ることなんかどうでもよくなっちゃうくらい。
ちょっと前より少しだけ大人になった気がする。どうしてそう思うのかというときっとそれは単純なことで、ちょっと前より寝たり起きたりしたからだろう。
大人になるのはいい。それはかまわない。
だけど大人になるのなら強くしあわせになりたいのだ。これから行く場所も、帰る場所も大きく見たらそんなもんはどこにもないけど、いつもキラキラした気持ちがいい。
わたしは自分のことを本当に子供だと思ってる。何かに心が動く時、その気持ちにいつも感動する。嘘じゃないから。
わからないと言って嫌いとう言葉から逃げるけどさ。
あれ今日は全然冴えてないや。
眠ろう。体の芯をとかそう。朝起きたらコーヒーを飲もう。太陽にチクチクと背中を刺されるのだ。
わたしはもう大丈夫なんだと思う。