今の家の最寄駅は各駅停車しか止まらないこぢんまりした駅だけど、15分くらい歩けば快速の止まる駅と、10分ちょっと歩けば準特急の止まる駅快速の止まる駅に挟まれてる。
散歩がてら15分の距離にある駅に買い物へ行った。
甲州街道をぺたぺた歩いてると、途中でお腹がすいてラーメンのことしか考えられなくなる。
世の中がコロナだからと自主的に外出を控える前に、友達と来たラーメン屋さんがその駅にはあるからなのか、ここに来る=ラーメン!と体が覚えてしまったのかもしれない。
全てが曖昧な緊急事態宣言の解除。しかしこれをいいことにわたしはラーメンを食べることに決めた。
夕飯の買い物をする前に、ラーメン屋さんに入る。
本当の本当に二ヶ月振りの外食で気持ちが落ち着かない。
見ず知らずの人に罪を被されるのではないかとか、一瞬の外食でウィルスを広げてしまうとか言われるのではないかとか、見えないことが頭をざっと過ったが食券を買えばラーメンは食べられる。
機械にお金を入れて食券を買う。店員さんが席に案内してくれる。店員さんとはいえ見ず知らずの人に世話を焼かれてるなあと思ったし、スーパーやコンビニ意外で人の仕事に触れ合うのは久しぶりだった。
ラーメンを待ってる間もパラパラと、お客さんはラーメンを食べに来る。
少し時間が経ったのでTwitterを見てみる。
友達の憤った声や、テラスハウスのこと、政治のこと。
また不穏な空気が漂い始めてるな。
と思ってたらラーメンができて、食べた。
この何が危険だったんだろうかと思わされるほど、なにごともなくラーメンを食べ終えて、本当に馬鹿馬鹿しいなと思った。
5月25日になった瞬間にコロッと状況は変わり、誰かに何か言われるわけでもなく「お店も空いているので外食もなんとなくオッケー」みたいな感じになり、やっぱりわたしはラーメンを食べにきた。食べる前に手を洗い消毒をしないことも、カウンターには調味料とダスターしか置いてないこと。これのなにがおかしかったんだろう。
人は一度生活水準をあげると、もうその前の生活には戻れないらしい。
お店やお客さんを守るために食べる前に手を洗って消毒をすることに躍起になっていたことも、カウンターに置かれていた消毒液も、なんだか夢のような話で掴みどころがなかった。