夜の銀座をひたひたと歩いている
かっこよく削られたビルを見ているとこれから日が登って朝になるなんて想像ができない。
気がついたら建物が午前中仕様の明るい色にくるっと裏返っているんじゃないかなって思う。
今1人じゃなかったら静かな街をずんずん歩きたい。
ちょっと面白いことがあった。
バイトの終わる時間男の人に待ち伏せられていて鳩が豆鉄砲!びっくり仰天そりゃあもう笑えなかった。ちょっと笑ったけど。
こりゃ話のいいネタになるなあと思いながらわたしはポカーンとしてた。
その人、ストーカー気質だとか変な人だとかそういうことはない。普通の人なんだけど、なんか暴走しちゃったらしい。
変質男を引っ掛けてやるほどわたしは暇じゃないと言いたい。誤解はしてくれるな。
話をしながら銀座の方まで10分くらい歩いて、ちゃんと根っこから問題を解決させてさようなら〜した。
それで、せっかくだからちょっと歩いてみようと夜の銀座を歩いていたわけだ。
あの子に教えてあげようと思った場所の名前や、キラッキラに光るビルとかウキウキするもの。たくさんあった。
いつもの夜とは少し違う。
明日は休みだから街が浮ついている。ふわふわと浮かんでいる。
終電に乗り、わたしのちょっと面白い1日は終わった。
今日は生きてんのか死んでんのかそのギリギリのラインにいた気がする。
全然そんなことないんだけどさ、潔すぎるくらい人のことを嫌いになりたいなあって喧嘩してる小学生を見て思ったんだ、
この世の終わりみたいに目くじら立ててさ。わたしまでこの世の終わりかと思ったもんね。