こういう気持ちになることも久しぶりでこういう気持ちの時に会いたい人がいるのもすごく久しぶりだった。
電車で向かいに座ってる人や、今乗って来た人たちがちゃんと他人に見える。期待とは違う、人や世の中に対する願いみたいなのが、場所を変えるだけで古い化石を掘り出すように丁寧に浮き上がって来た。
自分が大切にしたいものを掴み続けるのではなく、今のこの生活ということをころころと口の中で転がして行かなくてはいけないということだ。
ただ、知識はひけらかすものでもないし早い者勝ちでもなんでもない。写真であることや、生きていることを前提としてあなたの話と、言葉に耳をすませたい。生活の幅に触れていたい。
アルバイトをして、模様替えをして生活にうっとりして、洗濯物を干したりしていたけど与えられるものをウンウンと受け入れて行くことではない別の線があったのを思い出す。
しとしとと感じるしあわせを、いまだけは逃しちゃいけないんだなと目をつむって、うぶげまで神経を行き渡らせた気になってみる。
もっといいたいことがあったはずだけどこれでもういいみたい。頭はすっからかん。