3、4日前から寒さが冷たさに変わった。
家や部屋から見える夜の光の粒が強く刺さるように目に見えるようになった。
冬の始まりは目に見える。その瞬間を見た気がした。
冬が始まった。
今日のバイト先のお店、とても雰囲気が良かった。競馬や、雑学、最近どうしてただのなんだのおじちゃん達がたのしそうに話していた。みんな喋りたいだけで相手に伝えるつもりなんかあんまりないから会話がバラバラの方向に向かっていたりするけど、それでもみんな全然構わない。それがいい、というかそれでいい。
でもそんなんがずっと続くもんだからなんだかおかしくなってしまう。ふふふと笑っていたら、ひとりのおじちゃんが
「なんだかおかしいよな。年末らしいな。」
と言ってあたたかく笑っていた。
どうでもいいことを楽しく喋り続けるおじちゃんたちの取り巻く空気を、わたしとそのおじちゃんはぴったり同じそうに共有していたんだと思う。おんなじ気持ちにだった。年末らしいなと、わたしは思っていなかったけど、そういえば12月も半ばに差し掛かっているんだった。ね、年末!
と、いう今日の不思議体験。
不思議体験といえばもう一つ。
変えるくらいには雨も止むだろうと思って家を出たけれど、駅に着くと雨はひどくなっていた。まあでも、あとは風呂入って寝るってだけだし、雨なんかに抗ってもしょうがない。雨なんかただの水なんだって。(ホントカシラ!)
だから家まで6分くらいの道を「雨なんか全然気にならないですよ〜」ってずんずん歩いていたら、急に視界に傘が入ってきた。
横を見るとフニャッと笑ったおじさんが「よかったら入ってくださいよ〜」と元気に言っていた。このご時世そんな人いないだろ!と警戒して、大丈夫ですすぐそこなのでと拒否していたけれどふわりとお酒のかおりがして、気分がいいだけのいい人だということがわかった。おじさんも入って行けときかないので少しだけ傘に入れてもらうことにした。
「今日は寒くなりましたな〜」
「ね、こんなに寒くなって雨まで強くなるなんて思わなかったです」
「何食わぬ顔で歩いてるし、心配になっちゃったからさ〜」
「すぐそこだから大丈夫だなって思っててハハハ」
「そっかそっかじゃあ僕こっちだけど」
「あ、わたしはこっちですので」
「ほいじゃあね〜」
「ありがとうございました〜」
と手を振ってまた雨と戯れた。
どうして別れの挨拶をするときに手を振りたくなるのかしら。
今日は深く考えるのはやめる。自分に向き合うのはやめて今日の素敵な出来事たちに寄り添う。わたし、今度は幸せを分析したり記録したりする。
せめてこれが消える前に誰かのために書き残すわ。わたしがちゃんとしている限り消えることはないけどね!!!
さ!風呂入って寝るぞ!
最近は化粧水とニベアが全身に噴射される部屋が欲しいです!
感想はオレの敵!みんないつもありがとう!