車の窓についた結露をみて、ああ、冬なんだ。と実感した。夜家のそばを散歩していたら氷の溶けきっていないコーヒーを見つけた。季節は今を冬だと、今日の少し暖かな夜に教えてくれる。
夏によく歩いていた道を歩いた。思い出すのはあの時のむさ苦しい気温ではなく、電話を待つあのビー玉のような光りの気持ちだった。
近頃、何かに正面からぶつかるガッツがなくてしかも傷つくことにビビって核心なんかないし、見えないふりをしてた。
これができなきゃもうダメだと目線を落とそうとすると、人に会う。主にアルバイトでだけど、自分に合っている場所ってなにしてても合うから本当に参る。人間関係は多様であることとか、寂しくならない方法とか、音楽のはなしとか。ほんとうに色々。ただ会えるだけでうれしいし人たちに話をしてもらって、話をする。いろんなことを確認する。これじゃダメなんだってことも沢山あるけど、ああこのままでいいんだって思えることにもいっぱい出会う。
家に帰ったら友達から手紙が来ていた。アムステルダムから。涙が出た。嬉しかったし、不思議だった。だから少しだけ涙が出た。
忘れたくないことが沢山あって、自分も誰かのそこにいる。あなたもそう。あなたも誰かの忘れたくない場面の人なの。
だからどうか。できるだけ。