遂に実家に帰ることを決意した。
友達を総動員させて引っ越しを手伝ってもらったり、話を聞いてくれたりしたみんな、わたしはとんだお騒がせ娘です。
でももう心配しなくても大丈夫です。よかったって思ってくれてたらそれはすごくうれしいです。迷惑ばかりですみませんありがとう本当に。
遊びに行くくらいの荷物。ゲームや、パソコン、本は一冊、靴下もひとつ、ちょっとだけ下着。
烏山の家を出て駅に向かう途中彼から、部屋の解約をして家電も売り払うと連絡がありました。
業務的な連絡を見て戦いは終わったんだなと天を仰いだ。
人のことを嫌いだって思ったりすることはない。ただ合わなかっただけ。
一緒に住む前の距離感がわたしたちにはちょうどよかったのだろう。
最初からわかってた気がする。でも試してみたかった。自分のことも相手のこともふたりのことも。
半分以上きっと無理だろうという気持ちで同居を始め、やっぱり違った。
悲劇の人になるつもりはない。ただ自分が踏ん張れるうちに今だ!って思える瞬間が来てよかった。このタイミングをずっと待ってた。
実家には迷惑をかけるけど、甘えたいと思う。
去年の8月の暮れに骨折した時も1ヶ月半くらい実家にいたけど今回はちょっと違う。もう自分のすみかはなくて家族の巣にもう一度いれてもらう。
帰る場所のうちのひとつを無くし、最後の最後に帰るべき場所へ帰る。
荷物を取りに来る時は教えてください的な連絡を彼からもらっていた。
自分の家にするはずだった部屋。お金と時間をかけて段々住みやすくしていった家からどんどん荷物がなくなっていくことを想像するだけでおセンチ。
愛情みたいなものも好意みたいなものの残り香を嗅ぎ、ああ、ここじゃなかったんだなと泣くと思うよ。
実家に戻った最初の夕飯は大好きな麻婆豆腐にしてもらった。
お父さんの麻婆豆腐は本格的。他とはひと味違うの。
わたしもう泣きそうじゃない。
それが嬉しくもあって、自分の無力さの象徴みたいでまた泣きそうになってる。