バイト前に牛乳と朝ごはん用のパンを買った。
東京はどこもコンクリートばかりだという外国生まれの人の言葉を聞いて「あー田舎の人と同じこと言ってる。相容れない。」と思ったのに、歩いていると本当に自然がないなと、自然っぽいものを探してしまう。
はなちゃんが東京はいろんな花が見れると言っていたのを思い出す。家々から重い思いの植物が飛び出している。これを自然と言わないのは知ってる。では、登りやすく人間の手が加えられた山の斜面はどうなのか。自然のことはもちろん好きだが、近くで育ったことがないからわからない。しかし、非日常でもなければ日常でもない。自然はいつもそこにある。空があるじゃん。風が、雨が、太陽が。俺はひねくれてるかい？
人と関わるということは、関わった人数分の目を借りるということだと思う。その人の言っていたこと、その人の感じていることを感じ、想像して世界を見る。
だから嫌な人はいらない。嫌な目はいらない。
帰り道垂れ下がって咲くユリ科の花を見た。エンゼルトランペットかな？もっと隆々としていて、かつ品があって。こう言う時に頭がよければなと思う。適当な言葉を知らないことが悔やまれる。この良さを表現する日本語が絶対にあるはずだ。才色兼備みたいな響きのヤツ...
その自然が少ないと嘆いていた彼に見せてあげようと思い、写真を撮った。ほら見ろこんなに素敵なLillyですよ！と。でも、なんか違った。全部違う。撮った写真も、そんな気持ちで写真を撮ることもね。
誰かのために写真なんかやるもんじゃないのよ。純粋に、自分のためでもなく素直にならないと写真なんか撮れない。
家に帰って昨日の夜中に作ったパスタの残りを食べる。買ったパンも食べてバイトに向かう。好きな本のポップを書く。真剣にやればやるほど字が曲がっていることが気になる。はみ出したペンの跡。鉛筆の下書きをそのままポップにしたいな...そっちの方が良さが伝わりそう...などネチネチしながらも「みんなそんな見てないよな！」と開き直り、ペンで弾いた線を色鉛筆でなぞったりした。
ちくまQブックスを2冊買い退勤。
お腹が空いているのを我慢して新宿へ。aesopに行く。肌が弱すぎるわけでも強いわけでもないから、逆にスキンケア用品を選ぶのが難しい。でもここ2年くらいaesopの化粧水とビオデルマのボディクリームを風呂上がりにつけるので事足りてる。あとはさつきからもらったオイルと、ポゼの美容液もあるけど。
結構いいもの使ってるよね。こないだ洗顔もメディヒールのやつ買ったし。もうお金ないので、色々買い足したりはしないけど。
aesopに行ったら全製品が本に入れ替わっていてびっくりした。LGBT関連の本をセレクトして好きなものを一冊持って帰っていいというキャンペーンだったみたい。LGBT関連とは言っても、同性愛ものの小説が多かった気がする。
そうかQはないのか...わたしはどちらかと言うとQの中に入るのかもと思っているからちょっと残念だ。クワやデミ、その他いろいろのことも取り上げて欲しかったな。できれば小説でないもの。キャンペーンの趣旨とは違うんだからしょうがないがちょっとがっかりした。
がっかりしつつもトランペットという小説の書き出しに惹かれ、持って帰らせてもらった。
ニューマンに行っていつもの化粧水を買おうとまたaesopに行く。店員さんが「季節の変わり目なのでもう1段階保湿力の高いものに変えてみませんか？」というので試して見ることに。腕をまくる。スクラブで手の甲を洗っていると指と手の甲の毛並みがゆらゆら揺れる。aesopの店員さんは体毛を許容してくれる感性をお持ちでしょうか？スクラブを洗い流す時肌が赤ちゃんみたいにスルスルになった。すごすぎて笑ってしまった。店員さんは少々驚きながらも、わたしに合わせて何度かちょけたりしていた。あんまり接客が上手じゃなかったが、わたしはワンランク上の化粧水を買った税込6600円から税抜6600円にランクアップだ。金ないのに、アホかよ。
なんとか元を取ろうみたいな気持ちになり、前使ってた化粧水をいつ買ったか聞いてみるとなんと去年の11月だった。ほぼ1年...
買った時に3ヶ月分ですかみたいなこと聞かれて、「はい。デカイ方で」と言った割にずっと使ってるなあとは思っていた。お金を使うことは投資であるなと、実感しました。
計算機アプリを開き、7000(円)÷12(ヶ月)などと計算。薄目でイコールボタンを押した。
向かいの香水のお店にも入ってみた。何かお探しですか？ご案内しますよと言われたので「初めて来たんですけど、匂い嗅いでみたいなってずっと思ってて...」とどもりながら答える。
するとお店の歴史や、こういう製品があるよというのを丁寧に説明してくれた。そうそうーそういうの知りたかったーと思いながら香水の匂いを嗅いでいるとその店員さんはまだわたしの後ろにいたので
妾もいろいろ嗅いでみるから下がってよいぞと伝えると
「おすすめは、ルーブル美術館とコラボしているシリーズのサモトラケのニケの香りです。勝利の女神をイメージしたものなんですよ。」
と、彼女の好きな香りを教えてくれた。あー、ぐっときちゃう。控えめながらも、このレコメンドに。そしてニケ！わたしサモトラケのニケのことが昔から何故かずっと好き。匂いもすてきーとうっとりしていたら、なんか扇型の紙にシュッシュしてくれた。ああいい香りーなんて仰ぎながら店を出た。なにも買う予定がない時にふらっと入店するのが苦手だったが、こういうふらっとのお陰できっと何か欲しくなるんだろうな。蛇の絵が書いてある歯磨き粉とか。また寄るぞよ。オホホホホ。
帰りの電車で退勤と同時に買った本を開き、半分以上読んだ。この本のことが好きだと感じたし、今日中に読み切りたかったので立ち飲み屋に行った。
薬味奴と日本酒半合を頼んで、もう一杯となすのチーズ焼きみたいなの頼もうと思ったのに、本は読み終わるし疲れて900円で会計を済ませ家に帰った。
ものすごく集中して本を読んでいたのをバイト先のお客さんに見られていたらしく元気なさそうだったって心配してたというLINEがそのお客さんの奥さんからきた。
旦那さんはちょっと抜けてるめっちゃいい人なので、ひとりで静かにしているわたしを見て心配したんだ。家の中でアハハ！と笑ってしまった。「なーんだそういうことかー笑」と奥さんも呆れていた。
ゲームをして、風呂に入る。aesopでもらった試供品を使い洗顔し、新しく買った化粧水もつける。使い心地は前のやつの方が好きだったけど、まあよしとする。マイナーチェンジも悪くない。
