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むらたえりこです。

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春雨

こう言う春の曇った朝の匂いってワクワクするような少し寂しいような感じがする。

小学生や中学生の時に味わったことがある。

何がって覚えているわけじゃないけれど、部活の朝練の時の匂いかな。集団登校の集合場所に早く着いた時の匂いかな。家を出る前に手伝ったゴミ捨てでマンションの下まで行った時の匂いかな。

もうしばらくずっと早朝とあまり関わらない生活をしている。早起きしても9時前後が関の山。10時から始まるアルバイトに間に合えばなんでもよかった。

 

そんなわたしに彼氏ができた。付き合おうってなってから一、二週間毎日会った。家も近所だったので生活圏が変わらなかったので特に大変じゃなかった。わたしの部屋はシングルベッドで、2人で眠るには窮屈だった。

おかしい。急に窮屈になった。今までシングルベッドで男の人と眠る時、そこまで窮屈だと思ったことはなかったのに。よく考えたら今まで付き合ってきた男の人たちはガリガリかひょろひょろばかりだったのだ。

窮屈な場所で眠るのも、好きな人とだったら良いかもしれないけど、体を使って働いている人をギチギチベッドで寝かせるわけにはいかない。向こうの家にわたしが行った時はお泊まりをし、わたしの家に来た時は遅くならないように彼は帰っていった。

 

付き合ってちょっと時間が経って、彼はものすごく早起きしなきゃ行けない仕事の人だと言うことに気がついた。今までも彼の目覚ましで起きたりしていたから、知ってはいたのだけど。よくあんなにたくさん会ってくれていたなあ。流石に寝不足の日々だったろうなあ。思い返せば2人してニキビがたくさんできていた。

 

見送られるのが苦手だと言う彼をそれでも見送りたかったのは、彼の出ていく“早朝”が自分にの知らないもののように感じられるから。薄暗い部屋や、目を擦って行く冷たいトイレが知らないもののような、懐かしいもののよう気がしていた。